--- title: "T01. OpenSSL・mbedTLS・wolfSSLの選択指針" order: 42 status: "draft" --- cpp-httplibはTLSの実装を自前では持たず、3つのバックエンドの中から1つを選んで使います。ビルド時に有効にするマクロで切り替えます。 | バックエンド | マクロ | 特徴 | | --- | --- | --- | | OpenSSL | `CPPHTTPLIB_OPENSSL_SUPPORT` | 最も広く使われている、機能が豊富 | | mbedTLS | `CPPHTTPLIB_MBEDTLS_SUPPORT` | 軽量、組み込み向け | | wolfSSL | `CPPHTTPLIB_WOLFSSL_SUPPORT` | 組み込み向け、商用サポートあり | ## ビルド時の指定 `httplib.h`をインクルードする前に、使いたいバックエンドのマクロを定義します。 ```cpp #define CPPHTTPLIB_OPENSSL_SUPPORT #include ``` リンク時にそのバックエンドのライブラリ(`libssl`、`libcrypto`、`libmbedtls`、`libwolfssl`など)も必要です。 ## どれを選ぶか **迷ったらOpenSSL** 機能が一番豊富で、情報も多いです。通常のサーバー用途やLinuxデスクトップ向けなら、まずこれで始めて問題ありません。 **バイナリサイズを抑えたい、組み込みで使う** mbedTLSかwolfSSLが向いています。OpenSSLよりずっとコンパクトで、メモリ制約のあるデバイスでも動きます。 **商用サポートが必要** wolfSSLには商用ライセンスとサポートがあります。製品に組み込むなら選択肢に入ります。 ## 複数バックエンドを切り替えたい場合 ビルドバリアントとして切り分けて、同じソースをマクロ切替でコンパイルし直すのが一般的です。APIの違いは、cpp-httplib側でかなり吸収してくれますが、完全に同じ挙動ではないのでテストは必須です。 ## どのバックエンドでも使えるAPI 証明書の検証制御、SSLServerの立ち上げ、ピア証明書の取得などは、どのバックエンドでも同じAPIで呼べます。 - T02. SSL証明書の検証を制御する - T03. SSL/TLSサーバーを立ち上げる - T05. サーバー側でピア証明書を参照する > **Note:** macOSでは、OpenSSL系のバックエンドを使う場合、システムのキーチェーンからルート証明書を自動で読む設定(`CPPHTTPLIB_USE_CERTS_FROM_MACOSX_KEYCHAIN`)がデフォルトで有効です。無効にしたい場合は`CPPHTTPLIB_DISABLE_MACOSX_AUTOMATIC_ROOT_CERTIFICATES`を定義してください。