--- title: "W01. WebSocketエコーサーバー/クライアントを実装する" order: 51 status: "draft" --- WebSocketは、クライアントとサーバーの間で**双方向**にメッセージをやり取りするためのプロトコルです。cpp-httplibはサーバーとクライアントの両方のAPIを提供しています。まずは一番シンプルなエコーサーバーから見てみましょう。 ## サーバー: エコーサーバー ```cpp #include int main() { httplib::Server svr; svr.WebSocket("/echo", [](const httplib::Request &req, httplib::ws::WebSocket &ws) { std::string msg; while (ws.is_open()) { auto result = ws.read(msg); if (result == httplib::ws::ReadResult::Fail) { break; } ws.send(msg); // 受け取った内容をそのまま返す } }); svr.listen("0.0.0.0", 8080); } ``` `svr.WebSocket()`でWebSocket用のハンドラを登録します。ハンドラが呼ばれた時点で、すでにWebSocketのハンドシェイクは完了しています。ループの中で`ws.read()`して`ws.send()`するだけで、エコー動作が完成します。 `read()`の返り値は`ReadResult`列挙値で、次の3種類です。 - `ReadResult::Text`: テキストメッセージを受信 - `ReadResult::Binary`: バイナリメッセージを受信 - `ReadResult::Fail`: エラー、または接続が閉じた ## クライアント: エコーを叩く ```cpp #include int main() { httplib::ws::WebSocketClient cli("ws://localhost:8080/echo"); if (!cli.connect()) { std::cerr << "failed to connect" << std::endl; return 1; } cli.send("Hello, WebSocket!"); std::string msg; if (cli.read(msg) != httplib::ws::ReadResult::Fail) { std::cout << "received: " << msg << std::endl; } cli.close(); } ``` URLには`ws://`(平文)または`wss://`(TLS)を指定します。`connect()`でハンドシェイクを行い、あとは`send()`と`read()`でサーバーと同じAPIでやり取りできます。 ## テキストとバイナリの送り分け `send()`には2つのオーバーロードがあり、テキストとバイナリで使い分けられます。 ```cpp ws.send("Hello"); // テキストフレーム ws.send(binary_data, binary_data_size); // バイナリフレーム ``` `std::string`を受け取るオーバーロードはテキスト、`const char*`とサイズを受け取るオーバーロードはバイナリとして送られます。詳しくはW04. バイナリフレームを送受信するを参照してください。 ## スレッドとの関係 WebSocket接続はハンドラが終わるまで生き続けるので、1接続につきワーカースレッドを1つ占有します。同時接続数が多い場合は、スレッドプールを動的スケーリングに設定しましょう。 ```cpp svr.new_task_queue = [] { return new httplib::ThreadPool(8, 128); }; ``` 詳細はS21. マルチスレッド数を設定するを参照してください。 > **Note:** HTTPSサーバーの上でWebSocketを動かしたいときは、`httplib::Server`の代わりに`httplib::SSLServer`を使えば、同じ`WebSocket()`ハンドラがそのまま動きます。クライアント側は`wss://`スキームを指定するだけです。