--- title: "S21. マルチスレッド数を設定する" order: 40 status: "draft" --- cpp-httplibは、リクエストをスレッドプールで並行処理します。デフォルトでは`std::thread::hardware_concurrency() - 1`と`8`のうち大きいほうがベーススレッド数で、負荷に応じてその4倍まで動的にスケールします。スレッド数を明示的に調整したいときは、`new_task_queue`に自分でファクトリを設定します。 ## スレッド数を指定する ```cpp httplib::Server svr; svr.new_task_queue = [] { return new httplib::ThreadPool(/*base_threads=*/8, /*max_threads=*/64); }; svr.listen("0.0.0.0", 8080); ``` ファクトリは`TaskQueue*`を返すラムダです。`ThreadPool`にベーススレッド数と最大スレッド数を渡すと、負荷に応じて間のスレッド数が自動で増減します。アイドルになったスレッドは一定時間(デフォルトは3秒)で終了します。 ## キューの上限も指定する キューが溜まりすぎるとメモリを食うので、キューの最大長も指定できます。 ```cpp svr.new_task_queue = [] { return new httplib::ThreadPool( /*base_threads=*/12, /*max_threads=*/0, // 動的スケーリング無効 /*max_queued_requests=*/18); }; ``` `max_threads=0`にすると動的スケーリングが無効になり、固定の`base_threads`だけで処理します。`max_queued_requests`を超えるとリクエストが拒否されます。 ## 独自のスレッドプールを使う 自前のスレッドプール実装を差し込むこともできます。`TaskQueue`を継承したクラスを作り、ファクトリから返します。 ```cpp class MyTaskQueue : public httplib::TaskQueue { public: MyTaskQueue(size_t n) { pool_.start_with_thread_count(n); } bool enqueue(std::function fn) override { return pool_.post(std::move(fn)); } void shutdown() override { pool_.shutdown(); } private: MyThreadPool pool_; }; svr.new_task_queue = [] { return new MyTaskQueue(12); }; ``` 既存のスレッドプールライブラリがあるなら、そちらに委譲できるので、プロジェクト内でスレッド管理を統一したいときに便利です。 ## ビルド時の調整 コンパイル時に変更したい場合は、マクロで初期値を設定できます。 ```cpp #define CPPHTTPLIB_THREAD_POOL_COUNT 16 // ベーススレッド数 #define CPPHTTPLIB_THREAD_POOL_MAX_COUNT 128 // 最大スレッド数 #define CPPHTTPLIB_THREAD_POOL_IDLE_TIMEOUT 5 // アイドル終了までの秒数 #include ``` > **Note:** WebSocket接続はその生存期間中ずっと1スレッドを占有します。大量の同時WebSocket接続を扱うなら、動的スケーリングを有効にしておきましょう(`ThreadPool(8, 64)`のように)。